[ 乳がん・放射線治療・皮膚移植 ]


健栄製薬の白色ワセリン500g。白いシンプルな容器
10年来の相棒

これは「一生つきあっていく」と決めたアイテムの話です。

大げさに聞こえるかもしれませんが、私にとっては本当にそうで。このワセリンがなかったら、あの肌を守りきれなかったと思っています。


皮膚移植、そして放射線という試練

乳がんの手術後、傷跡が壊死してしまいました。筋肉が露出した状態のまま、抗がん剤治療を続けました。その後、皮膚移植を受け、放射線治療へ。

移植した皮膚は約7cm×5cm。自分の体の別の部位から持ってきた皮膚なので、もともと薄く、デリケートです。そこに30回の放射線を当てた。

放射線治療には、知っておいてほしいことがあります。照射した部位の汗腺は、機能しなくなります。 一時的なものではなく、永続的な変化です。つまり、その箇所はもう自力で潤いを保てなくなる。一生涯、外からケアし続けなければならない肌になるということです。


「最強保湿」を自分で作った

放射線治療が終わったあと、主治医から保湿剤を処方してもらいました。

でも、移植肌のあのカサカサ感には、処方のものだけでは物足りない気がしていた。そこで思いついたのが、ワセリンを自分で混ぜ合わせることでした。

処方の保湿剤を塗ったあと、その上からワセリンで蓋をする。あるいは両方を手のひらで混ぜてから塗り込む。キュレルローション+ワセリンの組み合わせで指先ケアをしていた経験が、ここでも活きていました。

指先への「ローション+ワセリン二段重ね」ケアについてはこちら → 抗がん剤で爪がボロボロになった私の「鉄壁ガード術」——キュレルローション+ワセリンという最強コンビ

後からジム仲間に教えてもらったのですが、ヘパリン類似物質が配合されたワセリン軟膏という既製品も存在するそうです。私の場合は処方が別だったので、自分でブレンドするしかなかった。それが結果的に「自家製最強保湿」になりました。


結果:移植肌はひどいガサガサにならなかった

これだけ弱い条件が重なっていたのに——薄い移植肌、放射線による汗腺の機能停止——ひどいガサガサになることなく、肌を守り抜くことができました。

「奇跡では?」と自分でも思います。でも奇跡じゃなくて、地道なケアの積み重ねだったと思っています。毎日塗る。忘れない。それだけのことを、ずっと続けた。

そしてその「毎日続けられた」理由のひとつが、ワセリンの手軽さにあると思っています。特別なものじゃない。難しい使い方もない。だから続けられた。


ワセリンを選ぶ理由

ワセリンは石油由来の成分を高度に精製したもので、添加物がほとんどありません。防腐剤も香料も界面活性剤もない。だから肌への刺激が極めて少ない。

乾燥肌や敏感肌の方にとって「成分がシンプル=安心」というのは、直感的にわかると思います。私のようにアレルギー反応が出やすい肌にとっては、この「引き算の成分設計」がとにかくありがたかった。

そして何より、蓋をする力が強い。油性の膜で肌の水分蒸発をしっかりブロックする。単体ではなく他の保湿剤と組み合わせることで、その力が最大限に発揮されます。


今も現役、これからも現役

あれから10年。移植肌への毎日のケアは今も続いています。それに加えて、もともとの超乾燥肌が気になる箇所——手の甲、かかと、ひじ——にも、市販の保湿クリームの上からワセリンを重ねるケアをしています。

500gの大容量タイプをまとめ買いしておくのがおすすめです。惜しみなく使えるから薄塗りでごまかさなくていいし、切らして困ることもない。毎日のケアに欠かせないものだからこそ、ストックしておく安心感は大きいです。



同じ状況の方へ

放射線治療を受けた方、皮膚移植を経験した方、あるいは極度の乾燥肌に悩んでいる方へ。

特別なものじゃなくていい。まず保湿して、上から蓋をする。それだけを、毎日続ける。

ワセリンは、そのための頼もしい相棒です。


ワセリン使用時の注意点

ひとつ大事なことをお伝えしておきます。

ワセリン単体には、水分を補給する力はありません。

あくまで「蓋」をする役割なので、塗る前に乳液やローションなどで水分をしっかり補ってから使うのが正しい使い方です。ワセリンだけ塗っても保湿にはならない、ということは覚えておいてほしいポイントです。

もうひとつ、実用的な注意点として——ワセリンはインナーや服につくと、洗濯で落ちにくいです。 油性なので、普通に洗っても残ってしまうことがあります。就寝前のケアに使うときは汚れてもいいインナーや寝間着を着るなど、一工夫するのをおすすめします。私はそれで何枚かやらかしました…。


本記事は個人の体験に基づくものです。治療中・術後のスキンケアについては、必ず主治医・担当看護師にご相談ください。